第ニ話 Sight unseen 【 見えない 視力 】

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〜 まさに いま 光が 〜

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第ニ話

Sight unseen

【 見えない 視力 】


夢の中で、私は塀を歩いていたが、
安全だと思える間隔をとってから
さっきの牧師を振り返って見た。

彼はひどく興奮して、監視所の中を
行ったり来たりしていた。なぜ、
私の質問がそれほどまで彼を動揺
させてしまったのか不思議だった。

私の質問によって、彼は違った見方が
できるようになることもなく、むしろ
いっそう精神状態が不安定になって、
明らかに過剰な反応をしたのである。

「刑務所」「監視」「囚人」

明らかにそれ以外のものでは
ないのに、彼は認めたくない。

彼とのやりとりは成立しない。
私は別の場所へと移動して行く。

次の監視所に近づくにつれ、
再び私はその監視者の外見に
とても驚いてしまった。

今度は牧師ではないが、
25歳くらいの若い女性。

彼女に尋ねることにした。
「お聞きしてもよろしいですか?」
「どうぞ。どんなことでしょうか?」

刑務所の監視者であるはずの彼女は
相手を見下すような態度で言った。

その若い女性に対して私は、なぜ
「その場所」に立っているのかと
尋ねてみると、答えが返ってきた。

そんなこともわかっていないのかと
あきれて驚いている様子だった。

「私は学校教師です。教師ならば、

自分の学校にいるのは当然でしょう」


「ここはあなたの『学校』なんですね」

あえて「監視所」とは言わなかった。


またあんな目には会いたくない。
なるべく慎重に答えたまでだ。

「もちろんです。今ではもう、
三年もここにいます。このまま
人生をずっとここで過ごすかも
しれません。自分のやっている
ことを心から愛しています」

最後の言葉が、何か機械的だ。

もし追求したら、さらに何か深く
聞き出すことができるであろう。

しかし、あまり調子に乗って
ひどい目にあうのはごめんだ。

「ここの平和と安全が達成されるには

何が一番いい方法だとお考えですか?」


ここはあえて勇気を出して突っ込む。
無難だが、核心を突く質問をしてみた。

「もちろん、教育こそが一番です。

私たちはこの地球という宇宙船に
一緒に乗っていますので、仲良く
していかなければなりません」

女性は色々と教えてくれた。

「教育によって私たちは、

一般大衆が野蛮で狭量な

メンタリティーから解放され、

自由になれるように手助けを

しています。そして、私たちは
全員同じであり、もし全員が
社会のために自分たちの役割を
果たすなら、全員が共栄するのだ
ということが理解できるように、

彼らを助けているわけです」


「これはおもしろい考えですね」
と私は言った。おもしろい、
というのは、もちろん皮肉。

冗談ではない。ここに居る

囚人はかえってそういった

教育とやらにダメにされる。


真逆な事をしてるとしか思えない。

柔らかく、表現に気をつけながら
相手の逆鱗に触れないように言う。

「ですが私たちは皆が同じという
わけでもありませんよ。そのうえ、
下にいる人たちが皆、以前よりも
もっと分裂して、バラバラになって
しまっているのは興味深いことです」

少しだけ強めに本音を言ってみる。

「ことによると、あなたのその哲学を

少し修正すべき時がきたかもしれない

という風には、考えられませんか?」

彼女は、驚きかつ興奮して私を見た。

色々と言ってしまったのだけれど、
先ほどのように、暴力的に脅される
ということはなかったが、緊張する。

明らかに彼女の思いとしては、
わずかにほんの一瞬でさえも
私の言葉が正しいなどという
考えは存在してないみたいだ。

視力と恐れ

「失礼ですが、あなたの目は
全く見えていないのですか?」

ついに、彼女が口を開いて
私に対してそう言った。

「いえ、とてもよく見えています」
と私は答えた。

目の見えない人たちなら、
ここではたくさん見てきた。

「私は、ちょうど人々の中を
歩いて来ました。しかし、同じ
グループであんなに分裂と敵意が
あるのを見たことはありません」

「グループ間での争いが、
それまで以上にひどくなって
いるようにも思えますよ」

私の言葉により、この若い女性が
まるで顔を平手打ちされたような
ショックを受けたことがわかった。

誰かがこうしたことを言うなどとは、
彼女にはとても信じられないという
ような表情になっていった。まして、

こうした言葉にいくらかでも真実が

あろうなどとは、夢にも思わない

といった様子でもあった。


彼女の様子を観察しているうちに、
その彼女もまた、非常に目が悪く、
私の姿もかろうじて見えているだけ
にすぎないということがわかった。

あまりに高い塔にいるため、監視塔の
下にいる人々を見るすべさえなかった。

何が起きているのか、本当のところは

彼女にさえもわかっていなかったのだ。


それでも彼女は、すべてのものが
見えていると、本気で思っていた。

「私たちは世界を変えているのです」

彼女は、高慢にも、そう言ってのけた。

「自分の力で世界を変えている」という。
理想と現実のギャップが激しすぎる。

そうこうしているうちに、
来客が訪問することになる。

二人の女性が塀の上を歩いて
監視所の扉の方にやって来た。

五十代と思われる黒人女性と、
三十少し過ぎくらいで非常に
身なりのいい白人女性だったが、
二人とも自信に満ち、威厳があった。

彼女たちは、目が見えていた。
遠くまで見渡せる視力がある。

塀の最上部に到達したことからも
それは明らかだろう。だが私は、
すぐ後で異様なほど驚かされる。

初めに居た若い教師が、先ほどの
自称牧師と同じく銃をつかんで、
後から来た彼女たちに会おうと
監視所の外に出たのだ。

そしてそれは明らかに、彼女が
二人の女性にそれ以上近づいて
ほしくなかったと思われた。

監視者である自称学校教師は、
うわべだけ愛想よく、優越感を
ちらつかせ、婦人たちに挨拶した。

自分の優位性を印象づけようとして
彼女たちを威嚇するようにも見えた。

驚くことにその二人の女性は、
おずおずとした様子を見せ始め、
自分たちよりもはるかに若い教師に
過剰なほど慇懃な態度を取り始めた。

そばで成り行きに驚いていると、
教師はいらいらしながら、私の方を
振り向いた。私がその女性たちに何か
言うのではないかと思ったのである。

銃を指でいじりながら、彼女は私に

どこかに立ち去るように言ってきた。


威嚇でも警告でもなく、今にも本気で

銃口から火が吹きそうな凄味があった。


婦人たちは、彼女が話している相手、
つまり私を見ようと顔を上げたが、

何故か私を見ることができなかった。


あろうことか彼女たちはいつの間にか

恐れによって目が見えなくなっていた。


恐れにより、視力が奪われる?
そんなことがあるのだろうか。
だが現実に、そのように見えた。

大声でその女性たちに叫びかける。
「勇気をもって自分たちの心で
感じたことを信じなさい!」と。
ただ私はひたすらに嘆願していた。

彼女たちの命にかかわることなのに、
私はそれが無意味な徒労だと気付く。

彼女たちは、単なる雑音か何か
物音を耳にしたかのように、
私のいる方向を見た。まるで、

何もない空間を見ているように。


それは、考えるのも不快な感じだ。

彼女たちは、目だけではなく、

耳で聞く能力も失われつつあった。


これを見て、先の若い教師は
余裕のある薄笑いを浮かべた。

そして、私に対して銃を向け、
ホイッスルを吹いたのである。

私のことを、もっとも危険な
人物だと知ったかのように。

それでも私は、ほんの少しだけ、
後ずさりすれば大丈夫だと知った。

この若い教師の目は、実際に、

それほど見えていなかったのだ。


恐れに取りつかれることからは
何とかまぬがれたのだが、私は
これから先、どこへ向かおうか。

二つの監視所の間の塀の上に立ち、
今までのことをすべてあれこれと
思いめぐらし、祈り始めていた。

「主よ、来てください。JESUS !
あなたの栄光によって、囚人を
この刑務所から助けてください」

すると私には、強い安心が訪れた。

知恵の臨在を感じることができたのだ。


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「恐れのために目が見えなくなる」

ということを覚えておきなさい。

「わたしがあなたと共にいる」

という信仰をもって歩くなら、

行くべき道が常に見えています。


わたしがあなたをその場所に導いて
連れて行く人以外は、あなたがいま
「見ているもの」を示さないように
注意しなければなりません。

「視力」は、刑務所の

監視が最も恐れている

とても大切なものです。


「目の見えない人の視力」

「耳の聞こえない人の聴力」

これらは非常に不自由です。
そして、覚えておきなさい。

「耳の聞こえない盲目」

ということもあるのです。

「恐れによって、人は、

全ての感覚さえも失なう」

ということも忘れないように。

音も光も無くしてしまえば、
熱や光をどれほど浴びても
感覚が死んでしまっている。

炎に照らされ生まれ変わる
ということをしなければ、
命を得ることが出来ない。

どれほどわたしの方から
語りかけられたとしても、
何も分からず理解も出来ず、
何も感じないし考えられない。

これは、悪魔に憑依されて

縛られている人と同じです。


自分が信じていないからと

「神の愛に力がない」と思って

自分の不遇に言い訳しているなら

それは聖霊を冒瀆することです。


知恵を信じていない人というのは、

「罪を守っている」だけなのだから。


彼らは自分で知恵から離れておいて、

何でも責任転嫁して人のせいにする。


いくら形だけで人に合わせても、

その心はどこか遠くへ離れている。


自分が正しいことを立証しようと、

別の人を探して歩きまわり彷徨う。


同じような仲間を見つけてお互い

同情を求めて慰め合おうとする。


喜びを感じられないからといって

神が居なくなったわけではない。


神は感覚ではなく、真実だから。


真実の知恵の言葉を聞いて、

悟る努力をする者は幸いです。


ーーーーーーーーーーーー

つづく


第2話

Sight unseen

【 見えない 視力 】

〜完〜

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完璧な人生なんてありません 全て完璧ならそれはもう神さま 人間は何が不完全だろうと 負けないで 清く楽しく美しく 創意工夫で改善したり革新して 変化していくことができる 無限の可能性を秘めています! 幸せになる素晴らしい力は どんな人にも天から与えられてます! 今が大変でうまくいかなくて困難でも 「負けないでほらそこに ゴールは近づいてる!」 愚痴を言ってもダメです 前向きに生きて良くなったらOK

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