RIGHT NOW LIGHT! 〜 まさに いま 光が 〜


星空ドリーミー童話劇場

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〜 まさに いま 光が 〜

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〜 まさに いま 光が 〜

第一話

prisoner of Light

【 光の 囚人 】



夢の中で私は、刑務所の構内に
ひとりで立ち尽くしていたが、
その場所は、見たこともないほど
巨大な塀で囲まれた空間だった。

たとえるなら、超大型の巨人が
アタックをしてしたとしても、
余裕で防げる分厚くて高い壁だ。

それが、視界の及ぶ限界を越えて
はるか彼方まで延々と続いている。

唐突に、その場全体が鉛色で、暗く、
陰うつな感じだと気付くことになる。

自分以外にも多くの人々が周りに居る
ことが分かり、まるでその影響として
暗い雰囲気がその場所全体に漂って、
集団の心を反映しているみたいだった。

かつて経験したこともないダークさに
度肝を抜かれたものの、慣れてくると
そこの構内全体の人々がどんな感じの
状況なのか、なんとなく分かってきた。

集団はそれぞれ、いくつかまとまった
グループに分かれて座っていたのだが、
肌の色や性別、年齢層ごとに分かれて
集まっている、という感じに思えた。

老年の黒人男性で一つのグループ、
若い黒人男性でもう一つのグループ、
白人男性もまた、老年層と若年層とで
分かれており、女性も同様に、人種や
年齢層ごとに別々に分かれていた。

刑務所の囚人たちを取り囲む塀の前に、
塀とは別にフェンスがあり、そこには
鋭い有刺鉄線が張り巡らされていた。

頑丈な塀の最上部には、数百メートル
おきに監視塔が設置され、それぞれの
監視塔にいる監視役の人影も見えた。

あまりにも遠くに離れていたせいで
細部まではよく見えなかったのだが、
確かに人の居る気配だけは感じられた。

あらゆる人種で、同じような感じで、
グループ分けがなされているみたいだ。

幼い子供たちを除き、はっきりした
特色のある人々は、それぞれ集まり
グループごとに分かれている。

グループとグループの間を、
多くの人々が歩き回っていた。

見ていると、その人々は、
自分たちによく似ている
グループを見つけることで、
自分たちのアイデンティティを
見つけようとしているらしい。

しかし明らかに、これらの集団は、
他の人をすぐに自分たちの仲間に
入れることはないだろう。

実際、そんなすぐには
打ち解けていなかった。

これらの人々をさらによくよく
観察していると、彼らには全員、
深い傷や多くの傷跡が見られた。

子供たちを除いて、彼ら全員、
目がほとんど見えていない。

自分たちの集団にとどまるだけで
精一杯であろうという様子だった。

自分たちのグループ内では、
誰か他の人が自分たちと何か
違った所がないかどうか、
絶えず見つけようとしていた。

もしわずかな違いでも見つけたら、
その違っている人を攻撃するのだ。

囚人たちは皆、飢え渇き、
病んでいるようにも見える。

ふと私は年配の男性に近づいて、
なぜここの人は全員、刑務所に
入っているのですかと尋ねた。

非常に驚いた様子で私を見ると、
「自分たちは決して刑務所になど
いないんだ!」と断言してきた。

彼は「なぜそのような愚かな
ことを聞くのか!」と言った。

私がフェンスや監視を指して
明らかに刑務所だと指摘しても
「フェンスだって? 監視だって?」
という真顔の返答が返ってきた。

彼はまるで、私から何かひどい
侮辱を受けたという顔をしており、
さらに質問しようものなら、私に
飛びかかってきそうな気配だった。

同じ質問を若い女性にしても、
やはり返事は同じものだった。

そこで私は、彼らの目は見えず、
フェンスや監視を見ることが
全然できないのだと悟った。

これらの人々は、自分たちが
刑務所にいることにまったく
気がついていないのである。

囚人たちに聞くのをあきらめ、
なぜ人々が刑務所にいるのか
監視に聞いてみることにした。

フェンスの方に歩いて行くと、
楽に登って通り抜けできそうな
穴があいているのも見えた。

塀にたどり着くと、その壁の表面は
でこぼこしていて、誰でも楽によじ
登ることもできそうだった。

実際試しに登ってみると、何事もなく
普通な感じで簡単に通り抜けられた。

誰でも簡単に脱出できるのだろうが、

誰ひとりそれを試みる人はいない。


彼らは、自分たちが捕らわれの身だ
ということを知らないからである。

塀の最上部までよじ登っていくと、
はるか彼方まで見通すことができた。

太陽が塀の向こう側で照っている
美しい景色さえも見えたのだが、

刑務所内に太陽は照っていない。


塀がとても高く、そしてその上には
何故か厚い雲がかかっている。

子供たちが集まっていた構内の遠く
離れた端っこの方では、火が見えた。

この火から立ちのぼっている煙が、
構内を覆う厚い雲となり、陰うつで
息苦しくさせていることに気付いた。

何が燃えているのだろうかと不思議に
思って塀の最上部を歩いて行くと、
監視所にたどり着いた。

驚いたことに、監視の人は、
教会の教職者しかつけない
カラーのついた立派なスーツ
を着ている。つまり、どこから

どう見ても、聖職者だ。


彼は私を見ても、別に動揺する
わけでもなく、私のことを同じ
監視の一人だ思ったようである。

「失礼ですが、なぜ、この人たちは
刑務所に入っているのですか?」
と私は尋ねた。

しかしその質問にショックを受け、
彼は一瞬のうちに顔に恐れと疑いの
表情が浮かんだ。「刑務所だって?」
と彼は答えた。「いったい何のことだ?」

「この刑務所構内にいる
あの人たちのことですよ」と、
不思議なほど大胆に私は言った。

「あなたは確かにこの刑務所の
監視人ですね。監視所に居るのだから。
でもどうして、あなたはそんな格好を
しておられるのですか?」と聞くと、

「とんでもない!
刑務所の監視だなんて!
私は、れっきとした

福音を伝える牧師だ!

彼らの監視なんかじゃない。

霊的指導者なんだ!!

これが監視所だって?

主の家に決まっているじゃないか!

いいか、たとえ今の質問が
冗談のつもりでも、
笑うつもりなどないからな!」

彼はそう言って銃をつかむと、

今にも私に向かって発砲しそうな

恐ろしい様子だった。


「ああ、お気にさわるようなことを
言ってしまいました。どうぞ、
お赦しください!」

彼が銃を使うにちがいないと思い、
私はあわててそう答えた。

そこを立ち去りながら、
いつ銃声が聞こえても
おかしくないと思った。

彼は精神状態がきわめて不安定で、
もし脅威を感じれば、それこそ
何も考えずに発砲したことだろう。

本当に彼は、本気の目だった。


自分が監視だということを、

本当に知らなかったのだ。


つづく




第一話  prisoner of Light

【 光の 囚人 】   〜完〜

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完璧な人生なんてありません 全て完璧ならそれはもう神さま 人間は何が不完全だろうと 負けないで 清く楽しく美しく 創意工夫で改善したり革新して 変化していくことができる 無限の可能性を秘めています! 幸せになる素晴らしい力は どんな人にも天から与えられてます! 今が大変でうまくいかなくて困難でも 「負けないでほらそこに ゴールは近づいてる!」 愚痴を言ってもダメです 前向きに生きて良くなったらOK

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